先天性の疾患や呼吸器に障害がある新生児は、NICUへの長期入院を余儀なくされます。しかし、NICUで集中的なケアを受け、危機的状況を脱すると共に在宅で在宅医療を受ける環境が整っているのなら、退院可能なケースも数多く存在します。
小児在宅医療に携わる看護師の仕事は、こうした子ども達が家庭で過ごせるよう適切な支援を行うことです。
看護師に求められるのは、人工呼吸器の扱いや経管栄養の処置を行うスキルです。さらに子どもの成長に合わせたケアを行うことも重要です。二次性徴などによってこれまで行ってきたケアから切り替えなければならない状況も考えられるため、変化に合わせた対応を行う必要があります。
子どもだけでなく、家族と接するコミュニケーション力も看護師には求められます。
ケアの対象となる子どもだけでなく、その家族も在宅医療によって心身ともに疲労しているので、家族の健康管理も行い、家族が看護を受ける子どもに対して健全な愛情を持てるように配慮しなくてはなりません。
母親が病気の子どもにつきっきりになることで、他の兄弟が心身を病むこともあります。訪問する看護師は、他職種と連携して家族の問題にも細やかに対応することが求められるでしょう。
小児在宅医療は医師や保健師、リハビリスタッフなど多くの人々の連携が重要になりますが、看護師はその中心的な存在になります。子どもの看護を続ける中で、通学や親の介護などの様々なトラブルが発生する場合も多いです。
そのような場合は家族と身近に接する看護師が他職種と連携して問題の解決に向けて動かなければならないため、臨機応変な対応力も必要です。